産地で暮らすとは

生活クラブは、生活圏レベルの見守り態勢や介護と医療の連携による地域包括ケアシステムのモデルづくりなど、都市部の高齢化問題に対して誰もが安心して暮らせる地域づくりに取り組んでいます。

さらに、生産者が主体となって地域づくりを進めるなかで、新たな選択肢としての「暮らし方」提案が検討されています。おおぜいの組合員のライフスタイルの選択肢を広げることを目的に、産地の地域づくりの新たな主体者として生活クラブ組合員を迎え、高齢者に限らず就農や田舎暮らしの要望に応えるなど、生産者と組合員がともに地域コミュニティづくりをすすめています。

そして、産地における地域づくりの主体者形成にとって課題となる「住居」及び「住まい方」について、「空き家」を都市生活者にとって魅力のある地域資源として活用することを検討しています。

同じ思いを持つ産地と組合員が相互にネットワークを形成し、「私らしく生きる」ためのしくみづくりが進んでいます。

はじまり

「老後の不安」についてアンケートを実施

生活クラブでは、少子高齢化社会の中で希望を持てる社会づくりをどうすればいいか、具体的な方向性をさぐるために、2015年に「組合員の意識調査」を行いました。

調査は主に上記の4項目についてアンケートを実施し、その中で多くの組合員が、今困っていること、または将来困るかもしれないこととして「高齢者住宅や介護施設の確保」「自宅の住み替え」を挙げました。さらに生活クラブに事業として取り組んでほしい、またはそこに参加したいと考えている人が多くいることも明らかになりました。

取り組み

生活クラブらしい「参加型福祉コミュニティ」をつくる

そこで暮らす人々が心身ともに豊かに生きていけるように、新たな施設の建設や空き家の活用など住む場所の確保はもちろんのこと、働く場所や学ぶ場所、地域コミュニティの連携なども検討していきます。そして幅広い選択肢の中から、それぞれの人たちがライフスタイルやニーズに合った暮らしを選び取れる地域づくりを目指しています。

生活クラブの福祉活動は、利用者、家族、地域市民、事業者、働く人など多様な利害関係者(ステークホルダー)が相互に協力しながら展開してきました。誰もが当事者として自己決定にもとづいて生きるしくみを積み重ねてきたことが誇るべき特長です。この強みを各地の生活クラブ、運動グループ、提携生産者が共有し、その地域に必要な機能を描き、「福祉の自給ネットワークづくり」をめざして、「生活クラブの福祉・たすけあい8原則」を定めています。

まずは山形県庄内から

庄内の中心都市である酒田市では、居住希望者を募り、移住者と地域住民の参加型コミュニティづくりや、また働く場づくりを進める計画があります。そして2016 年8月、生活クラブと酒田市は都県在住の移住希望者への情報発信などを行う業務委託契約を締結しました。酒田市と生活クラブ、提携生産者を中心に構成されたこの「庄内暮らしプロジェクト」は、元気なうちに移住し、街づくりに参加し、働き、社会に貢献する暮らし方・住まい方について検討を進めています。

 庄内プロジェクトについて