庄内地域には、月山(がっさん)、湯殿山(ゆどのさん)、羽黒山(はぐろさん)からなる出羽三山、新潟県と山形県との県境に位置する朝日連峰、そして日本海に面した山形県と秋田県の県境にあり、荘厳な大自然の象徴として古くから山岳信仰の対象とされてきた山形県の最高峰となる名山、鳥海山(ちょうかいざん)があります。
鳥海山は、標高2,236mの活火山で、頂に雪が積もり、裾野が美しく広がる雄大な姿を富士山になぞらえ、出羽富士(でわふじ)と呼ばれ親しまれてきました。
日本海に面した独立峰であることから、海抜0mから頂上まで登ることができるめずらしい山で、東北地方では燧ヶ岳(ひうちがたけ・標高2,356m)に次いで2番目の標高となりますが、麓からの高さは比較にならないほどの差があり、まさに東北随一の名峰です。
山頂からは、北に白神山地や岩手山、南に佐渡島、東に太平洋を臨むことができ、日本百名山・日本百景のひとつにも選ばれています。
鳥海山の魅力は何と言ってもその美しさです。雄大な姿にふさわしい厳しい気象変化が鮮やかな四季の移り変わりをもたらしてくれます。
野生の貴重な動植物が数多く生息し、特に夏の時期は200種類以上が確認されている高山植物の花畑の美しさに魅了されて、毎シーズン多くの登山家が訪れます。登山道やトレッキング道も整備されており、夏以外にも秋は紅葉、冬はスキーと、四季折々楽しむことができます。
また、山の新緑や紅葉、日本海や庄内平野の眺望を楽しむことのできる鳥海ブルーラインはぜひ一度訪れていただきたいドライブコース。
毎年4月下旬の開通時に見られる雪の回廊も風物詩となっています。
冬の間に降り積もった雪は広大な山裾に流れて豊富な水源となり、周辺地域に豊かな土壌をつくってきました。
古来より庄内の人々の生活には常に鳥海山の影響があり、その姿の美しさとともに存在そのものが庄内のシンボルであり続けています。