「私たちの“食の故郷”庄内地方で暮らす」その3

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老い支度への準備、まずは生活設計から

生活設計とは、自分自身を見つめて暮らしの優先順位を付けること

多くの人から「老後が不安だ」という声を聞きます。何がどのように不安なのかと踏み込むと、漠然とした不安のことが多く、それは自分の現状をはっきり把握していないということにもつながっています。現状を把握できれば、老後の対策は自ずと見えてきます。

老後に向けての気がかりなものの1つが経済的な不安です。「老後にいくらあれば大丈夫なのか」は、目安にできる金額の算出方法がいろいろあります。1カ月の生活費や95歳までに予定される大きな支出などを洗い出し、純資産(現金・年金・不動産等)を算出することで目安をつけることは可能です。しかし、いくら手元にあったら安心なのかは人によって違います。その人の望む暮らし方に照らすことが肝心なのです。

自分に与えられたヒト・モノ・カネを確認したら、次は「どういう人生を送りたいのか、自分らしく生きるために必要なものは何か」の「生活設計」を自分で具体的に考えます。死ぬまでにやり遂げたいこと(夢や希望)を書き出し、課題が見えた時はその解決手段も書き出します。そして、把握した自分の状況、体力、資産などに照らし合わあせて、優先順位を決めていきます。

長年地域ケアに従事してきた東京都立川社会福祉協議会の山本繁樹さんは「高齢期は自己決定の連続です。このことは高齢期に突入してからでは遅く、その前の段階で理解し、考える機会の創出が必要なのです。そして、自己決定支援のしくみが重要です」と、提言しています。

自分がどうしたいのかが分からないと、判断を他の人にゆだねてしまうことになります。自分の願望が家族等の考えと一致しない場合も多々あるのが現実です。やはり、自分自身で決めることが納得した生き方の基本になってくるのです。

多様な暮らし方の検討~庄内福祉コミュニティ構想~

2016年8月、生活クラブと酒田市は、首都圏在住の移住希望者への情報発信などを行う業務委託契約を締結しました。庄内には豊かな自然、おいしい食べもの、長年培ってきた生産者との関係があります。元気なうちに移住し、まちづくりに参加し、働き、社会に貢献する暮らし方・住まい方について検討が始まっています。高齢世代に限らず就農や田舎暮らしへの関心がある方など、幅広い層が参加できるように進めます。

<「庄内の福祉ミュニティ構想」スタート集会>

日時:3月18日(土)13:30~16:30

場所:主婦会館プラザエフB2(JR四ツ谷駅前)

基調講演:「日本で老いて死ぬということ」

講師:佐藤陽さん(朝日新聞記者)

パネルディスカッション:2025年、老いを地域で見守るために

定員:100名

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