みなとまち酒田で歴史と文化の研究デビュー?

酒田市内には江戸時代以降、北前船交易を中心に上方文化として大いに栄えた町の歴史や文化を象徴する名所が数多く点在します。

前回・前々回に引き続き、生活クラブ組合員の「あさかぜ」(ペンネーム)が、そんな酒田の歴史的名所や魅力的なスポットを駆け足で巡ってきましたのでレポートしたいと思います。

目次

酒田を代表する名所を巡る

まずは酒田を代表する観光名所である山居倉庫を訪れました。

明治26(1893)年に酒田米穀取引所の付属倉庫として建設され、現在もなお現役で使われているそうです。黒い木造の倉庫が12棟立ち並ぶ姿は荘厳な美しさがあります。

庄内のお米の歴史をさらに調べるべく、併設される庄内米歴史資料館も見学します。江戸時代、徳川幕府の命を受けお米の生産、拡大が図られてきた歴史や、いかにして品種改良されてきたかなど、米どころとして今もなお、主生産地としてわが国の主食を支えていることがよくわかる内容でした。

続いて、旧本間邸を訪問します。ひとつの平屋造りの建物でありながら、武家と商家が合体した構造を持つ大きな屋敷は、見どころが随所にあります。そのひとつひとつを、綺麗で知的な岸恵子さん似の女史に丁寧に説明していただき、酒田市における本間家の歴史、偉業をあますことなく知ることができました。館内を出る際に地元料理や周囲の名所について軽く質問すると、とても親切に案内していただきました。ここでも酒田の人のあたたかさに触れ、あらためてこの町が好きになりました。

まだまだ続く歴史探索

さらに、大河ドラマでもおなじみ西郷どんと関係の深い南洲神社を参拝。南州翁とは西郷どんのこと。併設された資料館にて西郷どんゆかりの品々や案内員さんの熱心な解説に触れ、幕末から明治初期において、遠く離れた庄内と薩摩がいかにつながりを持ったかがよく理解できました。いただいた南州翁遺訓、難解ですが、熟読してみたいと思います。

日も暮れに差し掛かったところで暮色を堪能すべく、桜の名所としても知られる日和山公園を訪れました。園内には日本最古級の木造六角灯台や、池にはかつての北前船文化の象徴でもある再現された千石船などがありますが、お目当ては酒田市街や日本海、出羽三山が一望できる眺め。日本の都市公園百選・歴史公園百選にも選ばれていることも納得の美しい景色に感動を覚えるとともに、また桜の季節にも是非訪れてみたくなりました。

美しい舞妓さんはあの企業の社員だった!?

元は江戸時代からあった名旅館であり、かの犬養毅首相も宿泊されたという相馬楼。

平成に入り、建造物は国の重要文化財となり、今は平田牧場さんが購入、管理、運営されているとのこと。木造建築でありながら内装もシックで、蔵の部屋もあり、部屋毎に装飾が違います。荘厳で美しく、きらびやかさもあり必見の名所です。竹久夢二画伯の作品も多々あって見ごたえがありました。考えてみたら、私の家の墓と夢二さんの墓は、同じ墓苑の近所であることもあって、縁を感じました。

これまでに吉永小百合さんやジュディオングさんも訪れていると聞き、一度お会いしてみたいものだなんて考えているところで、美しい舞妓さんたちが登場。ご案内の女性も含め綺麗で凛としているみなさん、実は平田牧場の社員の方々とのこと。あらためて驚きでした。舞妓さんたちと記念撮影もさせていただいたのですが、たいそう緊張してしまい、思わず今までの歴史のお勉強が、頭から抜けてしまいそうに…写真は家族には見せず、家宝にしておきます。(笑)

最後にはお抹茶と京菓子のおもてなし。感無量で帰るのが惜しかったくらいでした。

魅力いっぱいの酒田のまち

東北・庄内の北前船交易の中心であるみなと町、商人の町、上方文化として栄えた町である酒田は、お米を通じて、京都、徳川幕府とも関係が深かったことがよくわかりました。

今回は2日間と限られた期間でありながら、おいしい食のヒミツだけにあらず歴史・文化の重み、深みを感じることのできた充実の旅でした。

酒田は魅力いっぱいのまち。私の酒田研究はまだまだ続きます。

(※本稿は2018年4月上旬に実施された取材をもとに作成されました。)

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