生活クラブらしさ満載の参加型福祉コミュニティーづくり

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報告レポート

第1回 庄内で暮らすを検討する会 「酒田市職員が語る庄内の福祉コミュニティ構想とは」

高齢になっても安心して暮らせるように、生活クラブでは参加型のコミュニティづくりの試みを進めています。
そのひとつが、山形県庄内地方で暮らす選択肢をも視野に入れた「庄内の福祉コミュニティ構想」です。
講師に五十嵐康達さん(酒田市役所地域創生部地域共生課)を迎え、これまでの経緯と今後の取り組みについてお話を聞きました。

 

五十嵐康達さん

 

 


 

「食のふるさと」の実態は?

酒田市を含む庄内地方は、生活クラブ生協の消費材の主要な生産地のひとつです。組合員の人たちにとっては、米、果物、豚肉をはじめとする農産品や農産加工品でおなじみの「食のふるさと」です。提携には45年の歴史があり、のべ1万人を超える組合員が産地を訪れ交流してきました。
酒田市は、山形県の日本海に面した歴史ある港町です。鳥海山に抱かれた自然豊かな庄内平野に位置し、四季折々においしい海産物や農産品が盛りだくさん。首都圏からの航空便は、2019年8月1日からはジェットスター(成田発着)の就航が予定され、ANA(羽田発着)と合わせて1日5往復になってさらに便利になります。

 

 

しかし、どこの地方都市も同じですが人口減少が進み、酒田市ももうすぐ10万人を切ることは確実な状況です。
そこで酒田市は「酒田への新しい人の流れをつくる」という目標を掲げ、「若者の定住促進」「移住・定住に向けた総合対策の推進」「元気な高齢者の移住促進」という政策を進めています。

 

 

酒田市と生活クラブが手を組んで

 

折しも、国の「まち・ひと・しごと創生本部」が『生涯活躍のまち構想』を推進することとなり、酒田市はこの取り組みを生活クラブと一緒に検討し、2016年、生活クラブにさまざまな活動を業務委託することを決めました。専用チラシの配布、WEBサイトの開設、「ゆるやかな連絡会」や報告集会の開催、アンケートの実施などを通して、事業の柱は「移住施策」から「地域づくり施策」へと変化していきました。生活クラブの知恵や組合員の方々の声あっての変化といえます。

 

そして最終的な基本計画のコンセプトは、「参加する暮らしに集うまち」になりました。地域のさまざまな課題に対して、市民自らが役割をもって関わりながら、豊かで生きがいのある暮らしを目指す……もともと暮らしている人たちも、移住してくる人たちも一緒になって、いきいきと暮らせる地域をイメージしています。

 

 

「庄内FEC自給ネットワーク構想」がスタート

 

生活クラブは、2015年から「FEC自給ネットワーク構想」という「共生経済」の基盤づくりをスタートしています。命を支える「食(FOOD)」と「エネルギー(ENERGY)」と「福祉(CARE)」を可能な限り地域内で自給し、コミュニティの強化と「雇用(WORK)」をつくりあげる構想です。

 

この構想を庄内地方で実現するのが「庄内FEC自給ネットワーク構想」です。2017年、庄内地方の13の生産者が参加して「庄内協議会」が発足しています。
2018年1月には「生活協同組合庄内親生会」を設立し、生産者でもある組合員による生活クラブの消費材の共同購入がスタートし、これが「FEC」の「F=食」です。

 

また、2019年2月から生活クラブグループと庄内の生産者などが出資した「庄内・遊佐太陽光発電所」が稼働し、再生可能エネルギーの供給が始まっています。5月には、酒田市と遊佐町も含む5者によって、発電事業で得られた利潤を基金に積み、庄内地域の未来に向けて還元する仕組みもスタートしました。これが「FEC」の「E=エネルギー」です。

 

 

そして今後は、「C=福祉」について、持続可能な暮らしやまちづくりの仕組みを、参加しながらつくりあげていく計画を描いています。その中で「産地・庄内で暮らす」ということを選択肢の一つとして提案しています。生活クラブのこれまでの実績や行動力と酒田市の地域の方々、生産者が連携して行うこの市民参加型まちづくりは「庄内の福祉コミュニティ構想」と位置付けられていて、例えば、自らの介護予防に取り組みながら、居場所づくりに参加する……などなど、多様な参加する暮らし方を想定しています。

 

計画では、「参加する暮らし」の拠点づくりも構想されています。住居を含む、まちづくりの拠点です。酒田市は、市内の歴史的でシンボリックな場所である『山居倉庫』の目の前を候補地として選定し、2021年オープンを目標に、民間活力で建設運営する計画を進めています。
こうした計画の主旨を候補地の町内会の会長さんたちに説明したときには、「難しい話をしてないで、まずは来てみてもらえばいい」と笑顔で言っていただきました。

五十嵐さんは「生産地がいつまでも元気で、組合員とともにありつづけるため、生活クラブの知恵と経験と精神を酒田市に注いでいただくことで持続可能な地域づくりを広げていけると思います」と呼びかけます。

 

酒田市には生産者もいて、農業、観光、大学、駅周辺の商業施設など、さまざまな「参加するフィールド」があります。そして、自然の豊かさ、そこで育まれる質の高い食の恵みがあり、医療・介護のある安心で安全な暮らしが提供される地方都市でもあります。「互いにwin-winな新しい関係をつむいでいければと願っています」と、酒田市職員の五十嵐さんは庄内の福祉コミュニティ構想への思いを述べました。

 

参加された方々は、「食のふるさと」への移住という選択肢を具体的にイメージできたようです。

こんな感想を寄せてくれました。

・人間関係のネットワーク作りがポイントかなあと思いました。

・状況を知ることができました。ある意味、理想郷は言い過ぎでしょうか?

・庄内、酒田市の町の魅力を改めて感じました。関東からも近いですね。

・身近に感じられて良かったです。

・地方の方々、生活クラブで活躍している方々の熱意に圧倒されました。

 

 

酒田市は、移住の情報拠点として『東京吉祥寺テラス』を開設し、観光やふるさと納税の情報を提供するとともに、移住相談にも対応しています。

また、酒田市のWEBサイト『山形県酒田市移住ポータルサイト at sakata』から情報を得ることもできます。