生活クラブらしさ満載の参加型福祉コミュニティーづくり

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報告レポート

第26回 老い支度を考える―ゆるやかな連絡会 「退職後から本番。地域は私を必要とし てくれた」開催報告

「老い支度」に関心のある人々が集い、学び、話し合う場『老い支度を考える-ゆるやかな連絡会』では、さまざまなテーマで勉強会やセミナーを開催しています。2019年12月14日には、退職後にそれぞれの地域で活躍している3名の男性の経験談をうかがいました。

 

NPOで若者の⾃⽴を⽀援

 

 

田神明さん(『NPO法人 なんとかなる』事務局長)


中学校の先生の「土木の仕事は、地球の彫刻家」という言葉に感銘して工業高校へ進み、地元の横須賀市役所に就職しました。トンネルや橋の建設など土木畑で仕事を続け、定年を迎えました。その後、市のシルバー人材センターの立て直しに2年ほど携わり、その後2年間副市長を努めました。

 

現在は、若者の自立支援をする『NPO法人なんとかなる』の副理事長をしています。定年後は保護司になりたいと考えていたので、二つ返事で引き受けました。2018年6月には自立支援ホーム『なんとかなり荘』を開設しました。親から虐待を受け、一時保護所から児童相談所を経て、家庭に戻れない15歳~20歳まで子どもたちに住まいと食事を提供し、自活の指導、就労活動のサポートなどを行なっています。自立支援ホームは措置費を使ってギリギリで運営していますので、2019年度は生活クラブの組合員の方々もたくさん寄付を寄せてくださった『若者おうえん基金』の助成金を得て、普段はなかなか出せない果物などを提供したり、少年院から出てきた子にお寿司を食べさせたりできて、本当に感謝しています。

 

退職後も望むままに活動できていますが、現役時代から家のことは妻に任せきりだったので、最近は週1回、レシピサイトを見ながら料理をしています。妻と共通の趣味や会話を楽しむ時間も大切にしていきたいと思っています。

 

地元の人に喜んでもらえる仕事

 

瀬古正直さん(藤沢世話焼きワーカーズコレクティブ『はまゆう』)


65歳で退職し、家で少しのんびりした後、町内会の知り合いの紹介で福祉クラブ宅配の仕事を始めました。現在は仕分け、事務処理などの2時間程度の「朝ワーク」を週2〜3回と、2時間半ほどの配達を週1回やっています。加えて、高齢者の安否確認やチラシまき、試食会のサポートなどもしています。

 

現役時代は神戸製鋼の鉄骨材料、溶接棒などを製造する工場で働いていたので、はじめは新しい仕事に戸惑いました。でも、『はまゆう』のみなさんにさりげなくフォローしてもらって、手順よくこなせるようになりました。配達での失敗もありますが、組合員の方々からの「ありがとう」を心の支えに続けてこられました。

『はまゆう』が企画する生産者交流会では、安心・安全な消費材について勉強ができて、とてもためになります。レシピを見ながら料理をすると、娘から「また作ってね」と言われるのでとても嬉しいです。階段の上り下りがきついときもありますが、高齢のご夫婦や一人暮らしの方が喜んでくれるので、体の動く限り、働きつづけたいと思っています。

 

チンドン屋姿での講座が大好評。健康寿命の研究も

 

吉田浩滋さん(『佐倉チンドン倶楽部』代表)


役所の職員として障害福祉行政に長年携わり、介護保険制度ができる前は、地域で寝たきり予防教室や摂食嚥下の訓練なども行なってきました。組織に属しながらも地域に出て行く機会が多かったので、現在の活動はその延長線上にあります。

『佐倉チンドン倶楽部』では、介護老人保健施設の職員の相方と一緒に、施設や地域包括センターに出向いて介護予防教室や摂食嚥下対応力向上研修などを伝える活動をしています。現役時代に買ったチンドン太鼓を使って、チンドン屋を真似ながら話をすると、高齢者もよく聞いてくれます。今では着物姿で行き、握手を求められたりするほどの人気者です(笑)。

 

 

実は、退職してから別の役所で相談支援の立ち上げに1年間携わり、医療系大学で准教授になりました。しかし、地域の縁・人の縁を大切にする活動をした方がいいと考え、65歳で退職し、民生委員をやりながら『佐倉チンドン倶楽部』の活動を始めました。大学の職を辞する決断は、妻がさりげなく置いておいてくれた生活クラブ連合会発行の情報紙『生活と自治』でした。そこで取り上げられている先達の多様な地域活動を知り、大学教員が私の生きる道ではないという確信を得たからです。

 

現在は大学院で健康寿命についての研究もしています。インタビュー調査の結果、80歳以上で元気な方の86%は現役時代から地域活動に参加しています。14%は退職後に地域で役割を持つなど努力した方だということがわかりました。妻に背中を押されてではありますが、地域の公募や募集などには、必ず手を挙げるようにしてきました。健康寿命を長くするためにも、何かしら地域の活動に参加してみることをお勧めします。


 

 

参加者の感想

・3人それぞれの生き方が、大変参考になりました。
・どなたも楽しく活動をしていることがよくわかり、自分のことのように聞きました。
・すてきな人選で、様々なタイプの「先達」の話がきけました。
・地域にまだまだ人材が眠っていることがわかりました。どうやって眠っている人たちにアクセスするか、考えなくてはと思いました。