生活クラブらしさ満載の参加型福祉コミュニティーづくり

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特派員レポート

都会から酒田へ 〜若者の僕が老後について考えてみた

 

僕はいま、都内の大学の教育学部に所属しています。生まれも育ちも都内なので、今まで自然とは程遠い生活を送ってきました。
そんなある日、家で過ごしていると、親がいつも頼んでいる生活クラブのチラシに目が止まりました。それが『庄内暮らしプロジェクト』。

講義でいつも学んでいる『超高齢化社会』の問題。僕たちの未来、老後は一体どんな世界なんだろう。
もしかするとこのプロジェクトに何かその答えがあるんじゃないか、そんな気がしてすぐに体験レポートを申し込みました。

 

東京から飛行機で1時間 ~未来創造館を訪ねる

 

 

酒田へ飛行機で行くのは今回がはじめて。まず驚いたのは、あっという間に到着する近さ、交通アクセスの良さ!飛行機に乗ってすぐスマホを充電したのに、10%しか充電が増えませんでした(笑)

 

さて、空港に着いて真っ先に向かったのは酒田市にある未来創造館。地元では有名なサービス付き高齢者向け住宅「新未来創造館」や、24時間フロント付き賃貸マンション「未来創造館」などを運営されています。今回はご縁をいただいて代表取締役の齋藤緑 氏からお話を聞かせていただきました。

 

最後まで暮らせる住まいを酒田市に作りたい!

 

 

―早速ですが未来創造館はどういった所で、作った経緯や想いについてお聞かせください。

 

齋藤氏:未来創造館は、2階から上が住宅になっているいわば賃貸マンションです。なぜここを作ったかというと、最期まで自宅で暮らしたいという方々のために、高齢になってから不慣れな環境に移るのではなく、早い段階で移住してきて頂いて、いきいきと暮らし、いずれ介護が必要になったときにも、同じ場所で最期までいられる、そんな場所を作りたいという想いから構想が生まれました。また私自身が酒田の地に最期まで暮らす場所を作りたいという思いもありました。
地域のみなさまと共にご本人や介護者、一人ひとりのニーズに対応した幸せづくりを目指し活動しています。
最初に、地域の様々な方に協力を依頼し、同じ想いを実現させるための研究会を発足し、全国色々な所を見に行って議論、研究しました。
その結果、普通の老人ホームではなく、アメリカのCCRC(Continuing Care Retirement Community)のような形がいいという結論になり、集合住宅として一人で独立した部屋がありプライバシーは守られながらも、何かあった時には頼める人が常駐していて、安全安心であり、アクティビティなどを媒体にしたコミュニティーもある。そんな環境が出来上がりました。その活動はありがたいことに地域や多くの人脈からの応援もいただき、日本でも珍しい今の立派な施設が完成しました。

 

―現在、この未来創造館は、主にどんな方が利用されていますか?

 

齋藤氏:実は、この施設の住人は、酒田市内の人が少ないくらいで、本当に色々な所から来ていています。一番遠くは大阪、それから神奈川、東京などから来られた方もいますし、県内だと鶴岡などの方もいます。その中にはUターンの方や親戚がこっちにいるからという理由でIターン入居される方もいます。

 

遠方から入居されている方も多いのは、やはりそれだけ魅力的な建物とこの酒田市の土地の力なのだと思いました。

 

庄内暮らしには自然の魅力がいっぱい詰まっている

 

 

―そもそも酒田市に移住した方はどんな魅力を感じていますか?

 

齋藤氏:なんといっても一番はこの景色ですね!施設からも鳥海山が見え、朝はきれいな朝焼け。季節折々の広い田園の景色。今は白鳥たちがやってきている様子が見ることができます。入居者の皆さんは、窓からその景色を見ていると、とても気持ちが落ち着くとおっしゃっています。
逆に玄関側は商店など市街地が広がっているので、また違った景色を楽しむことができます。

 

―実際に移住を考えた際、例えば高齢になってからの交通手段や、住環境を考えた時の利便性ついてお聞かせください。

 

齋藤氏:未来創造館に入居されると、電車、飛行機、レンタカー、バスなどを待ポイントで送迎や家事代行もご利用できます。もちろん自動車で移動されている方も多いです。

 

―酒田市を調べていて、美味しい食べ物もたくさんあると聞いたのですが、こちらではどんな食事を出されていますか?

 

齋藤氏:庄内の食べ物の特徴は、やはり素材の美味しさでしょう。 出汁をとって作る料理、地元のお魚野菜、平田牧場のお肉、どれをとっても最高です。
私たちも地産地消の料理にこだわっていて、なるべく新鮮なものを届けてもらい、素材の味を楽しめるように工夫しています。
施設には管理栄養士がおり、栄養バランスにも十分に気を使っています。
皆さん高齢者ですので血糖値やコレステロールが気になったり高血圧の方もいますが、それぞれの利用者さんに合ったお食事を、毎日しっかり3食食べていただくことで、体調がすっかり良くなった方もいます。
また、朝日とともに起きて夕日とともに寝る生活を続けていることで、不思議と毎週病院に行っていた人が月に一回で良くなった、なんてこともありました。

 

実際に僕も滞在する中で、酒田市のさまざまな食材を使った料理を食べさせていただいたのですが、どれも本当に美味しくて、しかも体が喜ぶというか健康になるのが実感できました。そして何よりも値段が安い。そこは本当に魅力的だと思いました。

 

安心安全〜地域との繋がりの力

 

 

―例えば親が移住し入居した場合、我々は離れた場所で暮らすことになりますが、実際にそういった方もいらっしゃいますか?

 

齋藤氏:当施設と老人ホームの一番の違いは“自由さ“ です。友達や家族がお泊まりすることもできます。
東京から飛行機で1時間もあれば来られるので、帰省や里帰り感覚で子どもが孫世代を連れて冬休みなどに何日か泊りにきた例もありました。

 

せっかくなので、と齋藤社長に館内を案内していただきました。例えば施設内で何かがあった時も、はしご車でバルコニーに助けに行ける設計など、高齢者に配慮した工夫が随所に散りばめられていて、ひとつひとつ説明してくださいます。
バリアフリー対応の素敵な大浴場も見せていただきました。

 

 

建物自体も頑丈な作りだそうで、周辺の地域の方々も何かあったら避難させて欲しいとの声もあり、受け入れることにしました。
また職員の労働環境の整備にも注力していて、施設の情報はITによるペーパーレス化により、働いている全員がいつでも共有できるようにしているそうです。

 

地域との繋がりは職員の方々が自治会の班長や、地域の見回り活動の積み重ねによって生まれているのも印象的でした。

 

館内を案内していただく間、度々入居者の方のお顔も拝見しましたが、酒田に来て自由に、穏やかに過ごしている。そんな印象を受けました。

 

やはりその秘訣は、早期に移住し、環境を大きく変えず介護サービス付き高齢者住宅に移ることができることにあるようです。介護サービスを受けることになってもここで友達になった人たちが会いにきてくれる、そんな暮らしがまた魅力なんだと感じました。

 

―最後に、若者の僕に何かアドバイスをいただけませんか?

 

齋藤氏:人生で大事なのは、今を一生懸命生きることです。過去は変えられない、人は人の役に立ちたいと思っているはずです。ぜひ若い方々は、人のために社会のために自分は何ができるかを考えて一生懸命生きてください。失敗しても後悔しても一生懸命生きてればそれでいいと思います。
周りを気にして縮こまらないこと。やりたいことは何かを考えて頑張ってください。

 

豊富な経験と色々な方の人生を見ているからこその「今を一生懸命に」という言葉なんだなあと聞いていてとても強く感じました。今回のお話で普段から漠然としか考えていなかった「人生」、「命」、「今」についてとてもリアルに考えるきっかけになり、今がどれだけ貴重で、人生がどれだけ大切かを考えました。

 

インタビューを終えて

 

 

生まれてからずっと都会で暮らしてきたのに、庄内の景色は、なんだか懐かしい、穏やかな気持ちなっていくのを感じました。

 

素晴らしい老後の選択肢のひとつ。
今回、このプロジェクトのお話をいただいて、正直僕は漫然とした不安を抱えたまま山形に行きました。それは自分の老後に一体どんな世界が待っているのか、知ることが怖かったからです。ですがお話を聞いたことで、都会だけで一生を終えると思っていた僕に、素晴らしい老後の選択肢が生まれました。穏やかな気持ちになれる景色に囲まれ、新鮮で栄養満点の食材で元気になって、自由に人生の夕暮れを満喫する。ここに住んでいる方は最後の最後まで元気に過ごされる、というお話が印象的でした。

便利だからと都会に人口が集中し、少し息苦しい中で過ごすのはしょうがないと思っていましたが、これからの未来は自分自身が最も穏やかに元気に過ごせる場所で人生を送るのもとてもいいのではないか、まだその選択肢を知らない人にはぜひ教えたいなと思えるほど魅力的でした。超高齢化社会と言ってもネガティブなものではなく、みんなが元気に健康的にいきいきと自由に穏やかに楽しく生きていける社会が未来に待っているといいなと思いました。
そんな未来を実現するためにも僕たち若者が頑張っていこう!とみんなに伝えたい。そんなことを感じる酒田でした。今回プロジェクトで酒田市に行かせていただきありがとうございました!

 

(※本稿は2018年10月中旬に実施された取材をもとに作成されました。)

 


取材者プロフィール

 

 

ペンネーム:アメイジング庄内
所属単協名:東京

プロフィール:都内私立大学の教育学部心理学専攻の20代学生。

小さい頃から生活クラブの食材で育ったので身体は生活クラブの牛乳と平田牧場の肉でほぼできている。

野球部ではピッチャー。

夢は温泉サウナ水風呂に入って生涯現役で長生きすること。