生活クラブらしさ満載の参加型福祉コミュニティーづくり

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特派員レポート

人々の輪が紡ぎだす! 酒田日本海寒鱈まつり!!

 

~明るくサバサバしていて、おおらか。気さくで派手好み。一か八かの商人気質。知的で先進的。外から来た人を快く受け入れる。~

インタビューから聞き取ったそんな酒田の人々の気質がよく表れていたな、と酒田日本海寒鱈まつりを振りかえり感じています。会場に漂う雰囲気はさわやかでエネルギッシュ。

天候に恵まれたこともありますが、会場は一足早く春が来たような華やかさと解放感に満ち、特に場内2か所で行なわれていた太鼓の披露は寒さを吹き飛ばし、聴く人を元気にするエネルギーを放っていました。

今回の取材が決まってから、この日を楽しみに待っていました。その期待は裏切られることなく、取材中、私の笑顔は絶えることがありませんでした。

 

テントの中でまめまめしくお手伝いする中学生や高校生の姿。はらわたに沁みるような太鼓の音。寒さの中に立ち上る湯気。寒鱈汁を求めて伸びた人の列。鼻をくすぐる美味しいにおい。どれもが素晴らしい寒鱈まつりの景色でした。

 

なんと豪快!寒鱈汁

 

 

今回取材した酒田日本海寒鱈まつりは、1月25日(土)、26日(日)の2日間にわたって中通り商店街・中町モールを中心に行なわれました。

イベントの目玉は何と言っても寒鱈汁。庄内では一年中でいちばん寒い「寒」の時期に荒々しい冬の日本海で水揚げされる、脂の乗った真鱈のことを「寒鱈」と呼びます。その寒鱈を、身も骨も皮ごとぶつ切りにして、肝(あぶらわた)、白子(きくわた)などの内臓も一緒に入れて煮込んだもの…これが寒鱈汁です。

 

当日の朝、商工会議所青年部のブースの脇を通ってみると、テーブルには鱈のアラがたっぷり置かれ、青年部の若者たちがてきぱきとテントの中を動き回っていました。ああ、これが昼には寒鱈汁になるのだな、と美味しい想像が膨らみました。

 

4人の本格シェフによる「寒鱈フェスタ」

 

 

実は私が寒鱈汁と同じくらい楽しみにしていたのが、寒鱈フェスタ。

「食の都庄内」親善大使4人が作る寒鱈を使った料理が味わえるという企画です。朝、開店前のテントをのぞいてみると親善大使の一人、古庄シェフは自ら調理の真っ最中。おそるおそる「写真撮らせてもらえますか?」と声をかけると、シェフは手を休めてお店の奥に置いてあった料理長の帽子をかぶりにっこり。その気さくな対応に心がほっこりしました。

 

「太田政宏シェフ」は寒鱈のパイ包み焼きクリームソース仕立て、「奥田政行シェフ」は岩のり入り寒鱈汁クラムチャウダー風、「土岐正富シェフ」は日本遺産北前船海鮮蒸し寿司、「古庄浩シェフ」は寒鱈のブイヤベース、とそれぞれに鱈のうま味を活かした料理を提供していました。

有名シェフが監修した料理をその場で一気に4つも味わえるなんて、何と豪快なまつりじゃないですか!イタリアンあり、フレンチあり、和食あり。この企画にも、派手で明るい酒田人の気質が表れているように思いました。味わった料理はそれぞれに美味しく、心も体も温まりました。

 

 

酒田・遊佐の「新酒」飲み比べが、なんと1杯100円!

 

 

寒鱈まつりとの同時開催でたくさんの人を集めていたのが「酒の酒田の酒まつり」。酒田と遊佐の9つの酒蔵が一堂に集い、1杯100円で新酒を飲み比べできるという企画です。酒の種類も豊富で、地元の酒以外に千葉県と秋田県の酒蔵の酒も味わうことができました。

 

会場で、新潟からJRを使ってきたという30代の男性に話を伺ったところ、土曜日につづいて2日目とのこと。「昨日売り切れだったお酒をまずは飲みました。」と6種類のお酒が入った紙トレーを前に嬉しそうでした。実はこの男性、私が寒鱈まつりの会場をひと回りしてきた時にも同じ場所で飲んでいました。

その場で知り合ったらしい数人の男性と楽しげに談笑しながら。こういう楽しみ方もいいなぁ。そこに加わりたいという思いを胸に秘めつつ、私は酒まつりの会場をあとにしたのでした。

 

ギリギリだった寒鱈汁

 

 

会場での時間を楽しく有意義に過ごした私でしたが、実は一つ、大きなミスを犯していました。

11時少しすぎに中通り商店街に着くと、寒鱈汁のブースにはすでに長蛇の列。「時間をずらせば列も落ち着くだろう」と、先に酒まつりやシェフたちの「寒鱈フェスタ」を楽しむことにしました。酒まつりで2種類ほど新酒を味わい、寒鱈フェスタでシェフたちの料理を堪能。酒まつり会場で12時からはじまった太鼓演奏に心躍らせていた私でしたが、「そろそろ寒鱈汁でも」、と寒鱈汁会場に戻って真っ青になりました。

どのブースにも「完売御礼」の4文字が…。朝から楽しみにしていた商工会議所青年部の寒鱈汁も幻に終わりました。

 

完売御礼だらけのブースの前を中町モールにむかって歩きながら「どうしても寒鱈汁、食べたい!」と呟いていました。

寒鱈まつりに来て、寒鱈汁を食べずに帰るなんて洒落にもなりません。最後の最後、中町モールのいちばん外れに寒鱈汁を求める人々の列を見つけました。『最後尾』の札を持った男の方は、「ギリギリです。お並びいただいても提供できないかもしれません」と声かけしていました。

「食べられる可能性があるなら並ぶ!」迷いはありませんでした。そして…思わず笑ってしまうほどギリギリでしたが、寒鱈汁を味わうことができました。

 

酒田(さかた)に美味しい”さかな“とすばらしき”人たち”あり

 

 

半年前の特派員レポートに『酒田に旨い“酒”と美しい“田”あり!』という心に響くタイトルがありました。上手くなくて恐縮ですが、私も一つ。

 

『酒田(さかた)に美味しい“さかな”とすばらしき”人たち“あり』。鱈の美味しさはもちろんですが、酒田の人びとの人柄に感動した1日でした。取材のために多くの人に写真撮影をお願いしたり、話しかけたりしましたが、皆さん気持ちよく応じてくださいました。数ヶ月前に東京から引っ越してきたばかり、という若いお母さんはこんな話をしてくれました。

 

「酒田では子どもを連れてレストランに入るとお店の人が『私たちが子ども見てるからゆっくり食べてね!』と言ってくれるんです。市からは引っ越し祝いにお米60キロと醤油、みそをいただきました。酒田は住みよいところです。」

 

各ブースには地元の中学生や高校生が大人たちにまじっててきぱき動く姿が見られ、まつりを通した多世代交流もほほえましく感じました。きっとこの子たちがこれからのまつりを引き継いでいくのでしょう。33回も続いているまつりには素晴らしい人々の輪がある、と実感しました。

今年は例年になく雪の降らない冬だと聞きました。次回来るときには酒田の人々と寒鱈汁の温かさを、極寒の中で存分に味わってみたいです。

 

(※本稿は2020年1月下旬に実施された取材をもとに作成されました。)

 


 

 

取材者プロフィール

 

 

ペンネーム:ハバラさんの友
所属単協名:神奈川・城下町
プロフィール:東京オリンピックの年生まれ。いつか豊かな自然の中で自給自足的な生活ができたら!と漠然と思い続けています。

足を運ぶたびに酒田の自然、食べ物、人柄のよさに魅かれていきます。今度はぜひ家族と一緒に訪れたいな。